加根よしきの 平成29年度 東広島市議会第2回定例会 一般質問

【全  文】


平成29年第2回 6月定例会 − 06月13日−03号

○副議長(池田隆興君) 再開いたします。
 引き続き、一般質問を行います。
 15番加根佳基議員の一問一答方式による一般質問を許します。
◆15番(加根佳基君) 議長、15番。

○副議長(池田隆興君) 15番加根佳基議員。
◆15番(加根佳基君) (登 壇)
 皆様、こんにちは。公明党の加根佳基でございます。本日、最後の質問者となりました。もうしばらく、最後までおつき合いいただければと思います。
 それでは、早速ではございますけれども、議長より発言の許可をいただいておりますので、順次質問をさせていただければと思います。
 まず最初に、危機管理行政について、踏切事故対策について伺いたいと思います。
 踏切事故は、全国のどこかで、およそ毎日1件の割合で発生していると言われております。踏切事故の原因はさまざまであると思いますけども、本当に多くの方が犠牲になっています。本市においても残念なことに犠牲になった方がおられます。踏切事故をなくす抜本的対策を望む声は年々多くなってきております。踏切事故の防止は、本市の危機管理における市民の命を守るとの観点から、鉄道の安全の向上という点で極めて重要な課題であります。特に、交通量が多い踏切近くの幹線道路では、渋滞が慢性化しており、交通の隘路となっている箇所がたくさんありますが、踏切での渋滞は交通流動の悪化を引き起こし、緊急車両の通行の妨げとなるケースも見られております。
 また、歩道のない踏切では、歩行者の滞留や横断時における自動車と歩行者との錯綜が見られ、安全性の向上が課題となっており、早急な対策が必要であります。
 また、小さな路地やあぜ道、山道などのいわゆる里道と鉄道線路が交差している場所がありますけども、これは勝手踏切と言われております。このような踏切では、近隣の住民が勝手に通行しており、事実上の踏切となっている箇所も多く存在しております。中には、自宅から線路を挟んだ向かいにある畑や田んぼ、そこに向かう高齢者にとって勝手踏切は便利な近道でありますけども、正規の踏切を迂回すれば数百メートルは遠回りしなければならず、高齢者のみならず、若い方にとっても負担が大きいと思います。
 このような場所の中には、もともと近隣住民が利用していた道路に後から建設された線路によって分断されたという歴史的経緯がある場所もあるわけであります。電車より道が先となると、そこを通らないと家にたどり着けないというような箇所では、簡単には閉鎖することはできません。住民の生活と安全を両立させるためには、さまざまな問題課題がそこにあるわけであります。
 事実上、勝手踏切は生活道路になっているものは容認という形で放置せざるを得ないのが現状なのだと思います。住民はリスクを覚悟で自己責任で使わざるを得ないのではないのでしょうか。まさにジレンマ状態に陥る次第であります。
 このような、そういった踏切は意外と全国に多く存在しております。先日、本市管内の山陽本線、そして呉線を私自身調べさせていただきました。現場の状況等々、写真を撮影しておりますので、まず画面をごらんいただければと思います。
 今、画面に映されているところは、河内町の入野にありました勝手踏切でございます。里道がありますけれども、この里道を上に上がって行くと線路があり、その線路の向こうには墓所だったりとか、畑だったりとか、栗の木だったりとか、皆さんが利用されている里道となって、それが勝手踏切となっているわけでございます。ここでは約200メートルぐらいの間の中に3カ所このような勝手踏切が存在しておりました。農家の方、住民の方は頻繁にこれを利用されております。
 そして、高屋町なんですけども、2番目の写真なんですが、これは高屋町の小谷なんですけども、白市駅の東側のほうに位置してまして、これも線路の向こうには田んぼがありまして、時期になると頻繁にこの勝手踏切を使われておるみたいでございます。
 次の、その下の写真は、白市駅東側の信号のない遮断機のない踏切であります。このような踏切も存在しておりました。この白市の東側の遮断機のない踏切は、やはり通勤時になると朝夕なると、本当に多くの方が利用されております。
 西条の寺家駅付近の勝手踏切なんですけども、寺家駅西側の勝手踏切、ちょっと大きくしますけれども、ちょうど今、青い影をつけておりますが、まさに農家の方が渡られようとしておる場面でございまして、時期になるとやはり多く勝手踏切を使われているということであります。この方には後でいろんなコメントをいただきました。
 そして、こちらの今の写真が安芸津町の風早西側にある勝手踏切でございます。この付近の勝手踏切では、過去に3人の方が残念ながら亡くなられてるということもお聞きしております。このような危険な勝手踏切が存在しているということでございます。
 その下には、安芸津町の安芸津駅西側の勝手踏切、これはガードレールとガードレールの間がありまして、そこを通ると勝手踏切となっております。
 こちらは安芸津町木谷にあります遮断機のない踏切でございます。これも頻繁に使われてるということでございます。
 それでは、本市では山陽本線の八本松から河内間の全区間に勝手踏切は6カ所を確認しております。呉線においては安芸津駅、風早駅と周辺で3カ所確認いたしました。見落としているところもあると思いますが、これらの踏切はもっとたくさんこの東広島管内には存在しております。
 JRは勝手踏切の横断を認めているわけではありません。横断は線路内への立ち入りとなり、鉄道営業法の違反行為となると言われており、鉄道事業者としては認めないという姿勢であります。しかしながら、実際にはやむを得ず横断を看過しているケースがほとんどのようであります。
 それでは、なぜ事故があっても簡単に閉鎖できないのか。JRは、横断を認めてはいないが、先ほど申し上げましたように、鉄道ができる前から地元住民の生活道路があり、住民らの横断が絶えない、行き来する場所であるからであります。鉄道に関する技術基準省令39条には、国土交通省によると、勝手踏切は正規の踏切にすることはできない。ただ、この条文には例外があり、交差する道路の交通量が少ない場合、または地形上等の理由によりやむを得ない場合はこの限りでない、と記されております。
 したがって、このことから厳しく取り締まり等を行うことはなく、必然的に黙認というケースになってくるのであります。そして、踏切の新設については、法令上非常に厳しく制限されており、踏切に昇格できない勝手踏切については、行政としても全く持ってグレーゾーンのようであり、ジレンマ状態になるのも多々あるのではないでしょうか。
 先日、調査した折、住民の皆さんからお聞きいたしましたが、勝手踏切の近くに住む利用する住民は多く、危険なのはわかるが線路の向こうには先祖のお墓や畑等々があり、それらを守っていくためにも生活道として利用している。道路がある以上、利用させてもらう。安全を考えるなら、別な方法をつくってほしいと言われておりました。このコメントは河内・高屋・西条・八本松・安芸津と、どの方も同じコメントでございました。
 対策としては、正式な遮断機の踏切、あるいは地下道を設けるか、あるいは線路を高架化するなどして、立体交差にせざるを得ず、それについては1カ所に数億円もかかってしまいます。大変な金額であります。したがって、このような踏切においては対策を要請してもなかなか具体的な手が打てないのが現状ではないでしょうか。するにしても住民・行政・JRの間での難しい問題があると思いますが、本市においてはどんな問題があるのでしょうか。
 もう一度画面をごらんください。この写真は、寺家駅と八本松駅の間の踏切で、友松第1踏切なんでございますが、今、この写真は友松第1踏切、西条駅と寺家駅の間にこのような踏切がございました。遮断機はちょっとありますけども、非常に道幅が狭隘で、渡ってすぐに屈折しております。そこの危険性を促す標識は、大型車進入禁止であります。普通車が両方から侵入した場合には、トラブルの原因になりかねません。
 次の写真が、これは八本松駅、東側の五町第5踏切、これについても同じように道幅が狭隘でございまして、危険性を感じておるところでございます。  そして、この今、画面に映ってるのが寺家駅付近の踏切でございまして、寺家駅ができて非常に交通量もふえているということでございまして、その中で踏切の現状がかまぼこ上の踏切でありました。危険を促す看板など設置されていますけども、旧2号線から交差点からの信号待ちの渋滞の中、渋滞がわからずに侵入してしまう。そして警報音が鳴り、下りてきている遮断機に接触しながら踏切内を脱出するという、極めて危険な状況になっております。いろいろ話を聞くと、トラックが侵入してトラックの腹側に擦れて、そこからにっちもさっちもいかないような状態になったということも過去あったということも聞いております。さまざまな、ここではトラブルが発生しているということも聞いております。早急な対策をとる必要があると思いますが、どうお考えでしょうか。
 そして、西高屋駅東側の踏切についても人・車・バイク・自転車と一斉に交差するため渡り切れないうちに警報音が鳴り、下りてきている遮断機に慌てて脱出する極めて危険な状況になっています。これまでも西高屋駅の踏切では対策を取られておりますけども、恒久的ではありません。本市では、このようにさまざまな踏切がありますけども、これらの危険な踏切の現状をどう捉え、安全対策の計画を立てられているのでしょうか。
 そこで、本市管内の踏切事故対策について伺いたいと思います。また、遮断機のない踏切についての現状と安全対策について伺いたいと思います。そして、勝手踏切の閉鎖についての所見を伺いたいと思います。
 次に、政策企画行政について、奨学金返還支援について伺いたいと思います。
 若手社員の確保は、中小企業にとって重要な課題でありますが、一方で、卒業後に奨学金の返済が負担になっている若者も多くなっていることも事実であります。返済困難に陥ったときの救済策については、特になくはないが乏しく、それが大きな社会問題になってきました。借りたお金は返すのが当たり前と言われますが、現実は、勉強したくて借りた奨学金で、場合によっては一生苦労するケースがあるわけであります。今、困っている人たちがいる、その現実をまず直視する必要があると思います。このたび、政府も返還不要の給付型奨学金の拡充に乗り出していることは大きな前進と評価いたします。そのことから、各自治体では中小企業の人材確保と若年者の県内就職定着を図るため、若手社員の奨学金返済を積極的に支援する中小企業への補助制度を創設し、具体的な支援を行っている自治体や、これから事業として展開しようとする自治体もあります。
 このように、社員のための奨学金返済支援制度は、若手人材の確保や定着につながっていくことと思います。本市においても将来の担い手となる若者の県内定着・回帰を促進するため、県と市町村が連携して奨学金の返還を支援していく必要性を感じています。
 実は、民間企業や自治体が、今、奨学金返済の重荷を少しでも軽くするため、さまざまな制度づくりに乗り出しております。実例の一例として紹介いたしますが、大分県宇佐市では、本年度から始められていますが、奨学金返還事業は同市に転入し、企業で働き始めた人を対象に奨学金返還額の一部を補助する制度で、UIターンの促進が狙いで、県内の市町村では初めての試みとして実施しております。
 対象者は大学・短期大学・専修学校・専門課程の在学中に日本学生支援機構の奨学金の貸与を受けている人、また年収が300万円未満、そして同市に10年以上定住する意思がある人など、要件を満たしている人が対象となっています。奨学金を返還した年の翌年に申請すれば、対象となる返還額の2分の1が補助される仕組みとなっております。奨学金の返還が足かせとなって、地元に帰って来たくても帰って来られない人も多い中、この政策が定住のきっかけになればと期待するところであります。
 もう1つの例では、京都府でございます。就労奨学金返済一体型支援事業を実施しますとありました。この制度は、中小企業支援の一環で、従業員の奨学金返済を肩代わりするとあります。中小企業の人手不足の解消と従業員の定着、それから若者の奨学金返済の負担軽減、これらの一体型であります。行政と中小企業が一緒になってやっていくという事業であります。予算としては1億円規模を予算に計上しているということであります。制度の枠組みについては、奨学金の返還支援制度を設けた中小企業に対して府が補助金を出す、対象となる従業員は入社後6年以内の正社員、年齢は問わない、支給額の上限は府と企業をあわせて1年から3年目は年間で18万円、4年から6年目は12万円、6年間で最大90万円になり、支給額の半分を府が補助をするというものであります。各自治体において本当に具体的にどんどん推進に力を入れていることがわかります。
 本市では、精米機メーカーさんがそうであります。学生時代に借りた奨学金の返済を一部肩代わりする社内制度を他者に先駆けて導入した企業であります。この具体的政策が社員を確実につなぎとめることができる、そうしたプラス効果の高さから今後このような支援制度は多くの企業が導入するのではないでしょうか。
 奨学金は学生にとって本当に切実な問題であります。このような制度を導入済みの企業は、これまでに飲食業・流通業・IT業などの業種が多くあるようですが、ある企業は制度を発表したところ、会社説明会の出席率が高くなり、当日参加の申し込みもあったとのことであります。
 本市においてもUIターンを促進するためにも、また何よりも若い学生たちのためにも、そしてこれからの東広島市を担っていただく優れた人材の確保のためにも、このような取り組みに積極的に推進していく必要があると思います。
 そこで伺います。奨学金返還支援についての所見を伺います。次に、返還支援策は、UIターンの促進として効果があると思いますが、所見を伺います。最後に、返還支援策は雇用の促進と人手不足の解消に効果があると思いますが、所見を伺います。
 以上で、1回目の質問を終わります。御清聴をありがとうございました。

○副議長(池田隆興君) 答弁を求めます。
◎市長(藏田義雄君) 議長、市長。

○副議長(池田隆興君) 藏田市長。
◎市長(藏田義雄君) (登 壇)
 加根議員の御質問に対しまして、私からは危機管理行政について御答弁を申し上げます。
 まず、本市管内の踏切事故対策についてでございますが、事例紹介にございました友松第1踏切と五町第5踏切は、御指摘のとおり道幅が非常に狭く、大型貨物やバスの通行止めの規制標識が設置をされておるところであります。これら踏切の安全を確保するには、踏切の幅員を広げることが考えられるわけでありますが、関係機関との協議や、踏切の両側の市道拡幅に伴います用地確保などの問題がありますことから、幅員減少や車幅の最大幅を示す道路標識の設置など、可能な限り安全対策を行ってまいりたいと考えております。
 また、寺家駅付近の大坪第4踏切につきましては、両端の市道が踏切により低い位置にございまして、いわゆるかまぼこ状となっているものでございまして、改善策といたしましては、道路縦断の改良が考えられるわけでありますが、近隣の宅地への進入に影響するため困難でありますことから、注意喚起の看板設置など、安全対策について関係機関と協議を進めてまいりたいと考えておるところでもございます。
 次に、杵原踏切につきましては、延長17.5メートルでございまして、県道までの距離が約2メートルの踏切となっておりまして、安全対策につきましては、地元を初め公安委員会やJR西日本広島支社、また広島県と協議を重ねてまいりましたが、地元要望の強かった踏切連動型の信号機の設置につきましては、JR西日本から安全が担保できないことから設置ができないとの回答をいただいたわけであります。この踏切は、県道との間に車両が停止できる滞留長がないことから、早急な安全対策が必要なことは承知をいたしておるところでございます。引き続き、関係機関とさらなる協議を進めてまいりたいと考えておるところでもございます。
 そのほか、同様の踏切が市内にはございますので、現時点では可能な安全対策につきまして関係機関と協議を行ってまいる所存でもございます。
 続きまして、遮断機のない踏切についての現状と安全対策についてでございますが、JR西日本によりますと、市内には60カ所の踏切がございまして、そのうち遮断機と警報機がない第4種踏切は8カ所あると伺っております。内訳は、山陽本線に現在5カ所、呉線には3カ所と伺っておるところであります。
 次に、踏切事故でございますが、平成18年度から現在までに8件発生をいたしておりまして、そのうち死亡事故は5件となっております。中でも第4種踏切における死亡事故は2件ございまして、平成18年12月に高屋町中島の堀川踏切におきまして、また平成27年8月に高屋町高屋東鍵谷第1踏切におきまして発生をいたしておるところでございます。その安全対策といたしまして、堀川踏切につきましては、2年後に遮断機及び警報機のついた第1種の踏切へ変更され、また鍵谷第1踏切につきましては、1年後に隣接をいたします木原第2踏切とあわせて2カ所が第1種踏切へ変更されたものでございます。西条東北町の諏訪面第3踏切におきましても、第1種踏切への変更に向けまして、現在、JR西日本と地元住民との間で協議をされていると伺っておるところでございます。残りの第4種踏切につきましては、周辺の環境変化や利用実態等を調査・検討いたし、方針を決定されるとのことでございます。
 次に、市民の皆様への周知広報についてでございますが、JR西日本広島支社西条管理駅にも委員になっていただいておりますが、東広島交通安全連絡会議におきまして、踏切事故防止に向け各団体と連携を図りながら、踏切事故防止に向けた安全対策に努めてまいりたいと考えておるところでもございます。  最後に、勝手踏切の閉鎖についてでございますが、鉄道事業者によって認められた踏切以外に、里道等が鉄道線路と交差している場所がございます。これらは踏切ではなく、一般の人の立ち入りは禁止をされておるわけでありますが、実際には近隣住民が通行されている場合もあり、事実上の踏切となっておるところもございまして、いわゆる勝手踏切と呼ばれているものでございます。
 市内の勝手踏切の詳細につきましては不明でございますが、以前、JR西日本との調査の中で、山陽本線におきまして旧市内の区間に60カ所余りであろうという数字をいただいておるところであります。この勝手踏切には、踏切警報機や遮断機は設置をされておりませんが、通行の判断は通行者の目視に委ねられておるところでございます。個人的に安全を確認しているということなんですが。
 さらに、横断は線路内への立ち入りとなりまして、衝突事故につながる危険性が非常に高いため、鉄道事業者は原則として使用を禁止する立場をとっておるところでございますが、勝手踏切は廃止をいたし、近隣の踏切を使用していただくことが最善であると考えておるところでもございます。
 しかし、この勝手踏切の問題点でございますが、先ほど申しました事故の危険性が高いことや、もともと生活道路が鉄道線路によって分断された歴史的経緯があるため、廃止するには近隣住民の理解が必要であると伺っております。
 また、鉄道交差の安全対策につきましては、立体交差が有効ではございますが、これには多額の経費と随分な時間を要すこと、また沿線住居の用地補償への御理解、またJR西日本におきましては、新たな踏切の設置や、現存する踏切の面積を広げることに対しまして難色を示されていることなど、課題も多く残っておるわけであります。
 これらの事情等を踏まえながら、危険を回避する最善の方法につきましてJR西日本と協議を進めてまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 他の質問に対しましては、担当説明員より答弁をいたします。

◎副市長(槇原晃二君) 議長、副市長。

○副議長(池田隆興君) 槇原副市長。
◎副市長(槇原晃二君) (登 壇)
 私からは、政策企画行政につきまして、御答弁を申し上げます。
 初めに、奨学金の返還に対する支援制度についてでございます。地方における人材の確保の支援等を目的としまして、既に全国の自治体や一部の民間企業で支援の取り組みが始まっているところでございますが、貸与型の奨学金を利用している学生は年々増加しておりまして、民間の就職情報会社によりますと、4割以上の人が利用し、返済額の平均は288万円、返済期間は16年間といったデータもございます。
 こうした状況の中におきまして、返済が負担となる方については、その軽減が就職先を選択するための誘導策になることが期待されますが、一方で個人に対する補助としては高額で長期に渡ること、また本人の希望にかなう仕事がなければ就職に結びつかないといった懸念もございます。
 本市といたしましては、選ばれる都市として、まずは就職先となる企業の誘致や市内企業の育成など産業基盤の整備に尽力し、奨学金返還支援制度については、様々な事例について注視をしながら効果等を検証した上で、導入について慎重に検討してまいりたいと考えております。
 次に、返還支援策はUTターンの促進として効果があるのかとの御質問でございます。移住・定住を促進するための方策の一つといたしましては、一定程度の効果があると考えておりますが、制度の導入につきましては、さまざまな視点から慎重に検討する必要があるものと考えております。
 移住・定住を促進するための支援制度としましては、全国の自治体においてさまざまなものが導入されておりまして、本市でも現在、新たな支援制度を検討しているところでございます。
 支援制度の導入にあたりましては、本市の現行の制度の検証を行うとともに、他自治体の制度も参考にしながら、本市に適した移住・定住の促進につながる制度を構築してまいりたいと考えております。
 次に、返還支援策に関して雇用の促進と人手不足の解消への効果についてでございます。昨今の有効求人倍率はバブル期を超えるともいわれる高水準で推移しておりまして、また新卒学生については超売り手市場となっており、市内企業においては人手不足感が急激に高まりつつあります。
 この人手不足の解消と雇用の促進につきましては、行政と民間が一体となって取り組まなければならない喫緊の課題であると考えております。
 こうした中、御指摘のありました京都府や、また他県の事例では、行政と企業がともに費用負担して、人材獲得のために奨学金の返済助成制度を設けたり、また一部の民間企業や業界団体では独自制度を創設し、一定の効果を上げている事例もございます。
 本市といたしましては、地元企業の人材確保には一定の経費が必要であると認識しておりまして、行政としてどのような支援が効果的であるかを検証しながら、奨学金返還支援やその他の支援策などについて、さまざまな要素を総合的に検討してまいりたいと考えているところでございます。

◆15番(加根佳基君) 議長、15番。

○副議長(池田隆興君) 15番加根佳基議員。
◆15番(加根佳基君) 御答弁大変にありがとうございました。
 まず、危機管理行政についてでありますけども、踏切事故対策については地域のさまざまな状況、事情を踏まえて安全対策への最善の方法をこれからしっかりと協議していくとありました。これは、本当に大変な、本当に労力も要り、時間、そして何よりも市民の皆様の協力と御理解があって、初めて具体的な対策が図れるのでは、また進んでいくものと思います。どうか根気強く協議を行っていただき、今後において悲惨な事故が起こらないよう、安全対策の向上に向けて全力で取り組んでいただきたいと思います。期待をしておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 そして、遮断機のない踏切ということなんですが、この現状と対策についてなんですけども、どうも事故が起こった後の対策はしっかり実施されております。これは当然でございます。大事なのは、いわば事故が起こる前の対策っていうのを具体的に必要なんではないのかなと思うんです。
 どうも答弁を伺ってると、JRと住民との間の協議の結果をもって市は動くっていうような、そういうふうに捉えたんですけども、そうではなくて、まず行政がみずから現場のあの危険な状況をまず調査する必要があるんではないのか。たくさん危険箇所があります。大変だとは思いますが、行政みずから目で判断して、そしてそのデータをもとに住民の皆さんとJRの方の三者の協議がそこに必要ではないのかな。それによってより具体的な対策が図れると思います。
 したがいまして、お聞きしたいのは、行政独自の調査はここには入らないのでしょうか、お聞きいたします。

◎総務部長(前延国治君) 議長、総務部長。

○副議長(池田隆興君) 前延総務部長。
◎総務部長(前延国治君) JRと住民との協議結果を待っているのではないかとの御指摘でございますが、本市は踏切での協議、交通の安全ということを交通安全計画にも位置づけておりまして、交通安全調整会議において対策のための検証、安全確保のための検討を行っております。
 まず、踏切の現状把握についてでございますが、事故後の現場検討会議を主催するほか、第4種踏切の危険性などの把握に努めているところでございます。  また、踏切の事故防止対策につきましては、遮断機と警報機の設置が非常に効果的であることにつきましては、関係者の中で認識を共有しておりますが、JR西日本におきましては第4種踏切の統廃合をも含めて検討をしておられまして、何をどう優先すべきなのか、鋭意協議を進めております。例えば、諏訪面第3踏切におきましては、地元では警報機音に難色を示され、設置に関して反対の声もあると伺っておりますので、いかに説明し、その必要性を理解していただくか、関係者で知恵を絞っているところでございます。
 今後とも市民の皆様のさまざまな意見や情報を伺いながらも、交通安全上に必要性を説明しつつ、JR西日本と協議・連携を深めて、市民生活の安全確保のために踏切事故防止のための対策の推進に努めてまいりたいと考えています。

◆15番(加根佳基君) 議長、15番。

○副議長(池田隆興君) 15番加根佳基議員。
◆15番(加根佳基君) ありがとうございました。つまり、行政みずからが現場において検証され、現場においていろんな部分で分析をされてると、こういう認識でよろしいでしょうか。
◎総務部長(前延国治君) 議長、総務部長。

○副議長(池田隆興君) 前延総務部長。
◎総務部長(前延国治君) 行政みずからだけではなくて、関係機関とも一緒になって、そういった安全対策上の必要性、今、何ができるか、そういったものを協議しながら、最善の方法についての努力をしているところでございます。
◆15番(加根佳基君) 議長、15番。

○副議長(池田隆興君) 15番加根佳基議員。
◆15番(加根佳基君) わかりました。これまでの分析をしっかりと連携をとっていただいて、二度とその悲惨な事故が起こらないように最善を尽くしていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次の質問というか、奨学金の返還支援についてでございますが、御答弁では奨学金返還支援については、さまざまな事例を注視しながらその効果を検証し、その上で慎重に導入を検討するとありました、慎重に検討を、慎重に導入を検討するとありました。
 また、返還支援策はUIターンの促進としては一定の効果があると考えているとのことでした。先ほどと同様に検討するとありました。今後の推進に当たり、奨学金返還支援やその他の支援策など、総合的に検討していただき、具体的かつ積極的に取り組んでいただくことを期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 そして、本市において待機児童とかの問題がなかなか解決できていない、これは皆さん御承知と思いますけども、このことが先日報道されておりました。一番の問題として上がっているのが保育士の不足であると流れておりました、報道されておりました。とても残念でありました。
 一つの提案、解決策の提案として、将来、この学生が保育士で従事していただくことを条件に、この奨学金返還支援の導入はいかがでしょうか。効果があると思いますが。保育士という部分に特化して質問させていただきます。

◎こども未来部長(石原さやか君) 議長、こども未来部長。

○副議長(池田隆興君) 石原こども未来部長。
◎こども未来部長(石原さやか君) 保育士確保に特化をいたしました奨学金返還支援策についての御質問でございます。
 本市におきまして待機児童の解消に向けて効果的な解決策を講じることが本市の重要の課題であるということは十分に認識をしております。保育士への奨学金返還支援に先進的に取り組んでおられます先進自治体等の事例等も参考にしながら、本市にとりましてより効果的な保育士確保策を検討してまいりたいというふうに考えております。
◆15番(加根佳基君) 議長、15番。

○副議長(池田隆興君) 15番加根佳基議員。
◆15番(加根佳基君) まさにその問題が大きい部分、もう具体的に即効性のある対策の一つであると私は思っております。ぜひ積極的に検討していただき、早い段階でこの制度、使っていただくように期待し、私の今回の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

○副議長(池田隆興君) これをもって15番加根佳基議員の一般質問を終わります。
 以上で、本日の日程は終了いたしました。
 あす14日は、午前10時から本会議を開き、引き続き一般質問を行います。
 本日は、これにて散会いたします。
                             午後3時29分 散  会